ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

脳内ファイルシステム

私は脳内記憶域を重視していない。なぜならたいていの情報は脳の外部(Webなど)を検索すれば引き出せるからだ。だから必要な情報以外一切覚えない。だが、脳内の記憶同士をネットワーク化させなければ、知識を活用できないことも知っている。


そこで私は記憶域ネットワークではなく論理のイメージ化を用いることでこれを代用している。ある事柄を論理化(言語化)し、それをさらに視覚的・音声的イメージに置き換える。そして記憶域ネットワークが必要な事態においては、このイメージ化された論理を元にその応用を作り具体的な事態に対応させている。


これの有利な点はパターン学習による予測ができることにある。類型化されたイメージの中で事態に適合しそうなものを紡ぎだし、ある程度の先を読めるようになるのだ。逆に不利な点はイメージ化できるまで時間がかかることにある。事柄を論理化するということは目の前の”それ”を全て理解することである。これには反復・推論などの思考作業を経なければならない。また”それ”が理解できなければイメージ化もできず、こういった事柄は私の貧弱な記憶域に放り込まれることになるが、私の記憶域ネットワークはほとんど稼働していないので、理解できなかった事柄は対応もできなくなる。


私がこういった「脳内フォーマット」を作るヒントを得たのは、TVドラマ「ナイトライダー」のあるシーンを見てからだ。ある話で、ご存じハイテクカー・KITTはかなり深刻なダメージを受けた。そこで「自己診断機能」を動かして今動かせる機能をマイケルに伝えた。私はここに「客観性」を見つけた。自分の脳の中に自己を診断できる部分を持つ、という(10代前半の私にとっては)画期的な発想を得たのだ。それまでの自然で、ただ思いが沸き起こりそして消えていくだけの私の脳内活動にUNIXでいうところの「ジョブ」が生まれたのである。


これ以降、私は意識的に脳内活動を整理してきた。そして私にとって考え方の先生はKITT=コンピュータであった。だがコンピュータもまた人間の作り出した機械であり、その動作思想には必ず誰かの考えが反映されている。コンピュータの原理・所作から自分にとっての何かをフィードバックすることはとても有益なことであり、これを読んでいるあなたもぜひ試してみたらどうかと思う。