ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

巨大建築しりとり

たまにつらつら眺めていた巨大建築しりとり(概要→ http://d.hatena.ne.jp/yuuotoko/20040611#p2)のバトンが、「カンガルー・ノート」のid:dicemanさんから私に回ってきました(http://d.hatena.ne.jp/diceman/20040630#p1)。質問は「無くなっちゃって残念な建築物は?」とのこと。


現行のではなく、あくまでもなくなっちゃったのというと、思いつくのはやっぱりあれしかない。よし、いつか紹介しようと思ってたアレを今こそ使いませう。カモン!国土交通省国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)!*1


はい、これ↓は何でしょう。答え:高所恐怖症の方にはたまらない、高高度航空写真です(船が小さくて怖い…)。そして場所は、これで分かったあなたはきっとオトモダチ。東京都中央区晴海です。というわけで私が紹介するのは今はもうない巨大建築物『晴海国際見本市会場』です。
東京都中央区


もっと高解像度なものはこちら(注:画像ファイルサイズ1.7MB)→400dpi版
(以上、1974年撮影 国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省より)


なお晴海国際見本市会場の写真上の場所はまん中右上のドーム状の建物(通称ガメラ館)付近の建物群。晴海国際見本市会場が閉鎖されたのは1996年3月、現在は旧・南館(カーショップのオートウェーブが店舗利用中)を残して全ての建物が壊され、清掃工場になっているそうです。そして清掃工場はもう現役バリバリで稼動中で、以前の晴海の風景はもうほとんど存在しないようです。せつない…。


私がここに通ったのはコミックマーケットのためでした。夏は死ぬほど暑く、冬は死ぬほど寒い(そして一部は冬でも暑い)ので有名でした。何でも夏コミ*2の新館の天井には「汗が蒸発してできた雲が発生した」とかしないとか(嫌すぎる雲…)。まぁその風景自体は2004年現在のコミケ会場、東京ビッグサイトでもそれほど変わらないのですが、晴海には何かこう、独特の雰囲気があったような気がします。


私が思うにそれは極めて濃度の高い非日常性だったのではないかと思います。晴海国際展示場の周りは倉庫街と港湾施設しかありません。初めてコミケに行ったとき「ここは本当に東京なのか?」と思ったものです。実際あのあたりは特撮ドラマの撮影に数多く利用されていて、いろんな組織の基地や本部ががある(ことになっている)そうです。


それほど日常からかけ離れた場所に、赤や青や黄色やガメラみたいな外観をした普段見たこともない巨大建造物があり、その中では一般には流通していない怪しげな本が何千何億冊も飛び交い、また怪しげな格好をしたコスプレイヤーがそこらをうろうろしているのです。それはまさにヲタクにとっての「ハレ」の体現であり、非日常性の極地でした。


さらに付け加えるなら晴海国際展示場はオープンスペースであったことが、非日常性に拍車をかけていたのだと思います。館内は非日常空間でも、館を移動するためにはいったん館の外へ出なくてはなりません。外へ出るとそこには空があり、風が吹き、木があり…つまり館を出た一瞬だけ日常に引き戻されるのです。そしてまた別の館へ入り、非日常の世界に突入していく。この緩急は全館が屋内に収まっている東京ビッグサイトでは体験できないのです。


おそらく東京ビッグサイトとその周辺のように、あらかじめ数万人単位の人間が来ることを想定されて作られた場所ではなかったことが、晴海国際展示場特有の非日常性を生んだのだと思います。そしてそれは偶然の産物であり、取り壊された以上もう二度とあの場所で同じ感覚を得ることはできないのです。ただひたすらに残念であります…。


以上で私のしりとりは終わりです。さてリレーなので次のバトンを渡さないといけないんですが…ここはひとつ、キーワードがかぶったりして前々から気になってた「テレビ探偵☆ツンドラタイガー」のid:Louisさんにお願いしようと思います。面識もなくいきなりですいませんがどうかよろしくお願いします。


質問は「700億円くらい持ってたら所有してみたい場所は?」です。某ライブドアのアレがナニする総資産がこのくらいだそうで…。これまでの経緯はこちら(http://d.hatena.ne.jp/yuuotoko/searchdiary?word=%2a%5bsiri%5d)を参照ください。

*1:国土交通省トップページから国土数値情報ダウンロードサービスをクリック→国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)へ

*2:真夏に行われるコミックマーケット。開催日は会場の空き日程の都合上、ほぼ毎年お盆の時期になる。そのため各種方面に悲喜劇をもたらす。