ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

ミスター味っ子II読んじゃったよ

超人ロックの新刊を探していたらなんだか懐かしいタイトルが平積みに…。「ミスター味っ子II」(ISBN:4063520730)うわー、表紙を見ただけで安易な続編であることが丸分かり。そんなものに釣られまいと思いながらも裏表紙を見たら堺一馬が…。漫画版は別物なのは分かっていても、アニメ版のあの悲しい最後*1からどうやって大人になったのか気になって購入。気分はそんなエサで俺がクマー(AA略)。


感想…ひどかった。

  • ググれば出てくるけどそもそも絵がひどい。異常なほど退化しすぎ。まずこれで萎える。
  • さらにヘタレヒッピー化した陽一君に萎える。村田源一郎の物語*2を知っている陽一君なら、食べるのが精一杯の戦災孤児を救うためまず手持ちの金を全部使うはず。料理はうまいまずいではなく愛ではなかったのか?!アニメ版とは違うと分かっていても、たとえばゆでたまごならばそういう自分が描いたものじゃない部分も取り込んでうまいこと演出するだろうし続編商売なんだからそのくらいの工夫はしろ作者!
  • 一馬がただのピッコロさんに…。風貌からしデビルマンみたいで変な上に存在理由が主役陣をサポートするだけ。おまけに「流通がうんたらかんたら」とフツーのリーマンみたいなこと言ってるし。彼に救いの日は来るのだろうかと再放送のたびに思い返していたこの十年の私の思いはいったい何だったのか。アニメ版とは違うとはいえ、あまりにも、あまりにも…悔しい。


電車の中で一気に読んでガッカリし、その足でブックオフに処分しに行きたくなる内容だった。めんどくさかったから行かなかったけど。ああいっそのこと燃やしてやろうか土に埋めてやろうか。買うんじゃなかった。

*1:たった一人の肉親である父を亡くした幼き日の堺一馬の心の支えは、包丁を与え料理の道に導いてくれた怪傑味頭巾の存在そのものだった。その正体が味皇・村田源二郎であることを知らずに育った一馬だったが偶然、記憶をなくした味皇の部屋で頭巾を見てしまう。もう一度味皇を、父の愛を取り戻すため一馬は渾身の料理を作る。だが味皇の記憶を取り戻すことはできなかった。愛を与えられず愛に飢えることしか知らない自分は、人を愛する料理を作ることができない…それに気づくとともに”二人目の父を失った”一馬は雨の早朝、ただ一人きり傘もささずにどこかへ去っていく。レギュラーキャラのとてつもない鬱展開にTVの前で呆然としたのは今でも忘れない。さらに最終回では一馬だけその後についてのフォローが何もなくもう哀れで哀れで…。あれはやはりトミノの影響か?そうなのか?

*2:太平洋戦争後の焼け野原で村田食堂を再開した村田三兄弟だったが、戦災孤児の境遇を見かねた長兄の源一郎は彼らに食事を与えるため私財と体力の全てを投げ出し病に倒れ亡くなってしまう。このときの末弟・源三郎の「食への環境さえ整っていれば兄さんは死なずにすんだのだ」という考えが先鋭化し、やがて兄弟が味皇と味将軍して対立することになる。