ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

スタートレック・エンタープライズ第40話「Stigma(消せない汚名)」

あらすじ:トゥポルは一年前からパナー症候群に感染していた。この病気は少しずつ神経シナプスが冒されやがて死にいたる。ドクターの診断では船内の薬はだんだん効かなくなってきており、バルカンの助力を求めるべきだという。だがトゥポルは「それでは私は船を降ろされます」と難色を示す。なぜならパナー症候群はバルカンでは不道徳として忌み嫌われる少数派…精神融合をした者にしか現れない病気だからだ。


だがトゥポルの場合は好き好んでしたのではなくそれは半ば強制的な精神融合だった。そしてパナー症候群は病気自体よりも感染経路が蔑視の対象となっており、トゥポルの例であれば救済の余地はある。しかしトゥポルは審問会においても真実を話すことをかたくなに拒否する。同情される立場に自分を置いて救いを求めることは、間接的に自分も少数派への差別をすることになるからだ。

        • -

「Stigma」を辞書でひくと「汚名」の他に「犯罪者への焼印」という意味があります。日本語の「汚名」よりももっと深刻な意味合いがあるそうです。


さてこの話は他のレビューサイトでも紹介されている通り、エイズ患者や同性愛などへの偏見や差別をテーマにした話です。日本でいうとトゥポルの状況はまさに薬害エイズそのものですね。ただしトゥポルの場合はそれが意思に反したものであったことを飲み込んでまで差別と対峙しようとしますが。


真実が明かされたと同時に同情を見せはじめるバルカン人への「いつからダブルスタンダードになったんです?!」というトゥポルの台詞が心に痛いです。人は人を簡単に蔑視し、また簡単に同情する。短絡的で弱い心を持ってちゃいかんのですなぁ。