『ブッシュのアメリカ』を読む
- 作者: 三浦俊章
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/07/19
- メディア: 新書
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新聞記者の著者が、日本のマスコミ報道には乗らないようなアメリカの現状を、アメリカ各地での取材を通してリポートしていく。期間はブッシュ大統領就任からイラク戦争後まで。出版時の2003年7月の段階ですでに「アメリカ人は選挙においてイラク戦争を問題視してはいない」ということを解き明かしており、たいへん秀逸な分析書といえる。
これを読んで「結局マイケル・ムーアの行動てのは都市部のリベラル派のほんの一部の運動でしかなかったんだな」と思い知らされた。町山智浩氏もこれを読んでいればあんなに華氏911賛美はしなかったんじゃないかな…。つまりは彼も都市部のリベラル派の一部の人だったということか。
分かったことまとめ
- ネオコンはアメリカ国内でも嫌われており、そもそもそれほど数が多くない。まるで世界を牛耳ろうとしているような印象があるが、それはたまたま現在ブッシュ大統領が勢力として認めているからであり、今後はどうなるか分からない。
- ブッシュ大統領は熱心なキリスト教右派である。アル中だった頃、友人に誘われて聖書の朗読会に行ったのが宗教にのめりこむきっかけだった。代々のブッシュ家の政治思想は穏健派であり、現ブッシュ大統領は一族の中では異端といえる(一族とは宗派も違う)。でも一族の結束は固い。父親とは「41」「43」と自分の”歴代大統領番号”で呼び合っている(変な親子…)。