ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

ジェニーはティーン☆ロボット 第2話A

第2話A 遊園地は大騒ぎの巻(RAGGEDY ANDROID


あらすじ(完全ネタバレ):
ジェニーはウェイクマン博士と特殊機能のチェックをしていた。レーザービームに、ダブルこづちに、防御シールド(右の画像)に、エトセトラエトセトラ。チェックは順調に進んでいたが”伸び縮み万能ハンド”の出し方を忘れてしまい、ジェニーはウェイクマン博士に注意される。ジェニーはマニュアルを読み直して再挑戦するが腕がぐにゃぐにゃと伸びるだけで何の役に立つのかいまいち分からない。


そこへタックとブラッドがやって来る。ジェニーを遊園地のお祭りに誘いに来たのだ。二人は「人混みに紛れればロボットだと分かりっこない」と楽観的なことを言いもちろんジェニーも行きたがるが、ウェイクマン博士は「誰か一人がロボットを怖がったら全員にそれが伝わる」といい顔をしない。いつもやりたいことをさせてくれないストレスもあってジェニーはついにキレてしまった。「地球を救え救えって、あたしだってたまには遊んだっていいでしょ!」と床や壁を殴りつけ、勢い余ってレーザー砲を出してしまう。


「母親に武器をむけるなんて!」ウェイクマン博士に怒鳴られたジェニーは泣き出しベッドに突っ伏してしまった。「ママだって私が怖いくせに。普通の女の子みたいになりたい…」それを聞いたウェイクマン博士は、ジェニーを人の皮膚のようなカバーで覆って”普通の女の子”にすることを思いつく。ただしきちんとしたカバーを作るには三、四ヶ月かかるので、明日のお祭りに着ていくのは”間に合わせ”のものになるという。


ジェニーは大喜びし、ベッドの上に座り寝ないで次の日の昼すぎまで待った。そしてウェイクマン博士のところに駆けつけると、できあがった”間に合わせカバー”を着て、自分がどんな姿なのか確かめずすぐお祭りに出かけてしまった。「大変なことになってしまう」とウェイクマン博士はジェニーの後を追いかける。


お祭り会場では人々が思い思いに楽しんでいた。”丸くてタイヤより大きいもの恐怖症”のタックもその恐怖症を克服するためブラッドと観覧車に乗っていた。そこへジェニーがやって来る。だが丘の上に立つジェニーを凝視する人々の目には、”普通の女の子”ではなく、つぎはぎだらけの恐ろしい化け物の姿が映っていた。さらに間の悪いことにジェニーを追って来て疲れ果てたウェイクマン博士がジェニーの隣に倒れ込んでしまう。


「ウェイクマン博士が化け物を作った!」「化け物がウェイクマン博士を殺した!」人々はパニックになり、お祭り会場はメチャクチャに。ジェニーは事態を飲み込めないが、遊園地会場に降り鏡を見て、初めて自分の恐ろしい格好に気づいた。大人たちに追われたジェニーは山を逃げ回る。


一方その頃、タックとブラッドの乗った観覧車がパニックの中で回転数を最大にされてしまい、支柱から外れて走りだしてしまう。その行く先には高圧電線が。タックの悲鳴を聞きつけたジェニーは”間に合わせカバー”を脱いで助けに向かうが、観覧車は勢いがついていてなかなか止まらない。どうしようと考えるジェニー。そこへどこからともなく「伸び縮み万能ハンド!」という声が聞こえてくる。ウェイクマン博士が山の上で叫んでいたのだ。


「分かったわ」ジェニーは右腕を伸ばして観覧車に巻きつかせると、左腕をそこらの物にからませて、間一髪で観覧車を停止させた。観覧車から降りたタックはブラッドに抱きついて震えていたがブラッドに引きはがされるともう一度乗りたいと言った。恐怖症は治ったらしい。こうしてジェニーは”救いのヒロイン”としてみんなに認められ、晴れてロボットの姿でお祭りに参加するのだった。ただし、観覧車を回す”支柱”として。

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感想:

思わずツッコミを入れたくなる”防御シールド”のアイディアが楽しくて好きです。全ての原因がウェイクマン博士の裁縫が下手だったからというのも面白いですね。


しかしこの話はただ楽しいだけではありません。今後の作品世界の方向性を示す内容になっているのです。それは『ロボットは基本的に怖がられる存在で社会にあまり受け入れられていない』ことと『助けられたとき初めて人々はジェニーに好意をもつけどそれはあくまでも”親切なロボットへの感謝”程度のレベルでしかない』ということ。


つまりジェニーはパワーパフガールズと違い”街のみんなが無条件で好意を寄せるアイドル”にはなれない、それを暗示しているのがこの回なのです。それは次回にはっきりと示されるわけですが…。おおかわいそうなジェニーさん…。まぁジェニーさんは『普通の女の子になりたい』のが望みで、アイドル視されることを望んでるわけじゃないんですけどね(クラスの人気者にはなりたいみたいだけど。まぁこれもいってみれば普通の女の子の欲求か)。