ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

『きつねと猟犬』観ちゃったよ

きつねと猟犬 [DVD]

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突然ながらディズニー方面を強化する。なぜならこれまで敬遠してきたからだ。仮にもカートゥーン好きなのにディズニー知らないのはいかんよ君ィというわけで。さて、まず最初に観るものとして駄作と評判の「きつねと猟犬」を借りてきた。天邪鬼なもんで駄作だから観なくていいよと聞くとじゃあ観てやろうでないのと思うのです。


作品の背景

Amazonのレビューより)
ディズニー古参のベテラン・アーティスト“ナイン・オールド・メン”のうちの3人
(フランク・トーマス、オーリー・ジョンストン、ウーリー・ライザーマン)が、
のちに90年代の大ヒット作品を次々と手がけることになる当時若手だった
アニメーターたちと組んだ最後の作品として、とても意義のある作品となっている。

この若手の中にはティム・バートンがいたそうな。原作はD・P・マニックス「果てしなき追跡」。映画とは全然違う話らしい。


感想:
間延びした映画。ストーリー展開・キャラクターともに作りこみが甘く起承転結が平坦な印象を受ける。唯一のクライマックスシーンは猟犬のチーフが狐のトッドを線路に追い詰めたところで機関車に轢かれてしまうところ。だが機関車に轢かれて鉄橋から落ちたのにチーフは死なず、結局はこのシーンがこの映画の煮え切らなさの象徴になってしまっている。


何よりこの映画は主題が「親友同士が殺しあう」という悲劇であるにもかかわらず、直接的な死のシーンがひとつもない。ラストシーンでトッドとコッパーは別れてしまったが映画全般を通して結果的には誰も傷ついておらず、優等生的な甘さがひたすらに歯がゆい。


それでも何らかのメッセージをこの映画から受け取るなら、それは「かわいいからって野生動物を軽はずみに飼うな」ということだと思う(冗談でなく!)。はっきりいって早い段階でババァ(トッドの飼い主)が隣人へ配慮をしていればトッドはあんなに大塚周夫(隣に住むハンターのおっさん)から恨みを買うことはなかったはずだ。だいたい鶏を飼ってるハンターの家の隣で狐を放し飼いにしてるんだもんおかしいよ。そりゃ遅かれ早かれ苦情来るって!しかも大塚周夫に怒られた挙句にババァは野性での生活を少しも教育してないトッドをいきなり森に捨てちゃうんだから最悪この上ない。せめて動物園に持ってくとかしろよババァよう。


というわけでこの映画は噂に違わぬ駄作であった。ただ子供の頃のトッドの動きや仕草がメチャクチャにかわいいのでそこは見所かもしれない。そこだけだけど。