ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

トランスフォーマーG1(#1)

トランスフォーマーG1 (#1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

トランスフォーマーG1 (#1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

ちょっと前に買って読んだ。お気楽なTV版と違いトランスフォーマーが人間を踏み殺したりする超シリアス展開で驚いた。というかこれはプロパガンダマンガだな。コンボイの絶体絶命のピンチを救うのが消防士だし悪党が「自由民主主義否定」みたいな大演説するし。出版時期から考えるとこれは「イラク戦争擁護派のためのマンガ」だと思う。こういう関係性が当てはまる。

  • 人類=イラク人。トランスフォーマー=アメリカ人。G1では人類はトランスフォーマーを否定し敵対している。「中東で敵視されるアメリカ人」の構図。
  • コンボイ=ブッシュ。コンボイは人類から攻撃を受けながらもデストロンから人類を守ろうとする。「我々の戦いが権力闘争だと思っているのか?」との発言もある。「イラク人を守るためだから」「石油利権目当ての戦争じゃないよ」的な意味合いと解釈できる。
  • メガトロン=フセインでありイラク戦争反対派。G1でメガトロンはコンボイを殺そうとはせず、人類の愚かさを見せつけて「こんな戦いはやめて我々の仲間になれ」と訴える。これは「イラク人なんか守る必要ない」という、ねじれた戦争反対理由と受け取れる(ストーリーとしては当然ながら戦争擁護だからまともな反対理由でない方がいいはず)。またメガトロンが人類を容赦なく殺したり化学兵器まがいのウイルスをばら撒くのは”フセイン的”な描写。
  • 核攻撃を阻止するためサイバトロン側に戦死者が=大量破壊兵器の否定。
  • グリムロックの造反=フランス・ドイツの国連重視姿勢。

というわけでこのように斜めからの視点で見ると、G1が当時「売れまくった」のは当然だなぁという気がする。