ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

渋谷タワーレコードの洋書売り場

7Fに洋書売り場があると聞いてさっそく行ってみた。おーこれはサブカル方面が強くて面白いじゃないの。確かに紀伊国屋よりこっちの方がいいです。カートゥーンの資料もありました。HOW TO DRAW系以外でざっと見たところではこの二冊が面白かったかな。


The Encyclopedia of Animated Cartoons
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/0816038325/qid=1122352968/sr=1-1/ref=sr_1_1/102-9917820-2312132?v=glance&s=books
いわゆるひとつのカートゥーン辞典。ページをめくってて、何でMr.Tのコミックなんてもんが生まれてしまうのか理由が分かりました。Mr.Tがティーンエイジャーのチームと一緒に悪と戦う番組があったみたいなんですよ(笑)。というわけであれはおそらくスピンオフ・コミックなんだろうと思われます。まだ知られてないサタデーモーニングな作品はたくさんありそうですな。


Makin' Toons: Inside the Most Popular Animated TV Shows and Movies
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/1581152698/qid=1122397214/sr=8-1/ref=pd_bbs_1/104-9741564-3181546?v=glance&s=books&n=507846
90年代以降の現代アメリカアニメの成り立ちとその制作者について、インタビューをからめてレポートした本。取り上げている作品はロジャーラビット/レンとスティンピー/スポンジ・ボブ/シンプソンズ/デクスターズラボ/パワーパフガールズ/サムライジャック/キング・オブ・ザ・ヒル/ライオンキング/シュレック/アイスエイジ/トイ・ストーリー/ロッコーのモダンライフなどなど。2003年刊なので残念ながらティーンロボットやレンゼッティについての記載はない。


これは現代カートゥーン史にとってかなり重要な資料だと思います。ゲンディとマクラッケンのカルアーツ時代のことや初期の仕事についても載ってるし、サムライジャックの背景美術についても項目を分けて触れてる。その他もろもろ内容盛りだくさんです。クリス・サヴィーノの履歴もありますよ(笑)。彼は元々はコミック畑の人で漫画家になろうと思っていたところに、レンとスティンピーのパイロット版を見て「アニメも面白いなぁ」と思いジョン・Kに手紙を出したのがアニメーターになるきっかけだったようです。


カルアーツ〜デクスターズラボ直前までのゲンディはこんな感じだったそうな。


ディディの名前が先に出来てそこから「デクスター」を思いついたんだとか。


この本には載ってませんがロブ・レンゼッティと、ゲンディ・タルタコフスキー/クレイグ・マクラッケンの共通点はUPAの作風にあるようです。ゲンディとマクラッケンは「カルアーツでUPAの手法を学んだ」と、レンゼッティは「UPAの作品が好きだった」とインタビューでは発言しています。上記画像のゲンディの発言に「多くの学生はディズニー・スタイルを勉強してたけど僕はUPAを学んだ」とあるのが興味深いです。もしゲンディが他の学生のようにディズニー・スタイルを勉強していたら…。今当たり前のように見られている二次元的作画のカートゥーンはなくなっていたかもしれません。


いやこの本は面白いです。他にも見所がたくさんあって困るくらい。こんなことなら英語を勉強しておけばよかったなぁ。ちなみにこの本Amazonで注文した方が安かったです。1000円くらい高かった…。

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ああそうだ、この洋書売り場にはシンプソンズとフューチャーラマの本が山ほどあります。シンプソンズ好きにはおすすめ。シンプソンズのポストカードもあるよ。ちなみに例によってスポンジボブのポストカードもあります。誰の陰謀なんだこの海綿体ブームは。