ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

午後のロードショー:ブロンソン祭り

ブロンソンといったら当てはまるのは世界でただ一人「チャールズ・ブロンソン」。午後ロードでブロンソン特集をやるのも久しぶりなんじゃないですかね。というわけで三作分の感想。

「特攻サンダーボルト作戦」

ドキュメントタッチで淡々と展開する実話らしさが素晴らしい傑作。ブロンソンの出番はあまりないけどこの作品はそれで正解。なんか雰囲気が「ミュンヘン」に似てるなぁ、って制作年代がまるで逆だけど。ひょっとしてオマージュったかスピルバーグ(パクったかとは書かないでおく)。そういえば「ミュンヘン」は長い映画だけど「特攻サンダーボルト作戦」も元は150分のTVムービーだそうでビックリですな。日本の場合は予算をかけても出来上がるのは”ニ ト ロ グ リ セ リ ン”でお馴染みの「西部警察スペシャル」なのに(笑)。

「地獄で眠れ」

拷問大好きなマッドサイエンティストに親友を殺された殺し屋が親友の奥さんと子供を連れて敵地に乗り込み、現地の労働者がマッドサイエンティストをリンチして殺す話。なんか途中でストーリーが変わってるけど本当にこういう話なんだからしょうがない。ブロンソン祭りだっつってんのに平気でこんなB級映画を混ぜるあたり、さすが午後のロードショーだ。


しかしまぁ酷い映画だわ。ブロンソンが義に駆られ無料奉仕で殺し旅をやってるのに、同行する奥さんがブロンソンを人殺し人殺しとなじるのなんの。いやいやあんたのための復讐旅なんだってば。あまりにもうるさいんでブロンソンが奥さんを国に帰そうとするとなぜか空港から戻ってきてカーチェイスをしたと思ったら「もう血を見るのは嫌」。だからあんたのためにブロンソンが(主に敵の)血や汗を流して頑張ってるんだって…。


ラストは最強にまぬけだった。ブロンソンが廃坑だと思って呼び出した鉱山になぜか現地の労働者がたくさんいて、そこにマッドサイエンティストが到着。マッドサイエンティストブロンソンから廃坑と聞かされてたから、わらわら出てくる労働者に「え?え?」と呆然としてたら車を囲まれて血ダルマにされちゃう。ブロンソンはその場を立ち去っておしまい。わけ分からん。

狼よさらば

真打ち登場。「デス・ウィッシュ」やらずして何がブロンソン祭りか。と書きつつ実は「狼よさらば」は初めて見るんだけども。チンピラに妻を殺され娘を廃人にされた善良なサラリーマンが、じょじょに復讐という名の暴力にのめり込んでいく様が実に丁寧に描かれていて見応えがある。悪漢を初めて殴ってぶるぶる震えたり、チンピラを初めて射殺した衝撃に思わず嘔吐するブロンソンの有り様はかなり衝撃的。といっても二人目以降のチンピラ狩りになるといつものブロンソンになって、倒れた相手にもう一度撃ち込んできっちり止めを刺したりするんだけど(笑)。後半のブロンソンなんかもう完全にチンピラ狩りを楽しんでるし。ラストシーンの「シカゴに新しい獲物発見!ウヘヘヘヘバキューン!」というブロンソンはちょっと怖い。