ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

大残念ガッカリ映画「大日本人」※大ネタバレ有り

酷かった。
酷いという前評判を全然知らないで観に行って、普通に期待しながら観たんで本当に心の底からガッカリしました。全く笑えないし映画にもなってない。怪獣は無駄にグロくて気持ち悪いしラスト30分は寒くてすべってて最悪だった。松本人志に言いたいのは「Youごっつええ感じまたやっちゃえばいいじゃん」それに尽きます。松本が「ごっつええ感じ」から何一つ進化してないのは痛いほど分かりました(これも大残念ガッカリポイントでしたが!)。そして「コントやりたい」と思ってることも分かりました。それなら、TVでやってくれ。いちいち映画にしないでくれ。ていうか1800円返してくれ。「ことさら映画監督になりたいわけじゃないしべつに表現方法にこだわってない」んならもうTVの中から出てこないでください。それがかつて松本人志ビートたけし以上の何かを期待した我々と松本人志自身にとって一番幸せな選択だと、私は思います。


しかしねぇ〜、惜しかった。惜しい映画だとは思います。良い意味で伝説の映画になる余地はありました。開始15分過ぎから締め付け獣を倒すまでは凄かったし。特に”第二”へ向かうときの映像の強烈さは期待できるものがありました。でも、松本人志全部投げちゃった。投げたというより「逃げた」という方が近いんでしょうな。自分の作ってるものが「映画である」ということから逃げちゃった。”赤いの”から逃げる大佐藤みたいに豪快に逃げちゃった。


起承転結の「結」部分だって、映画としてまとめるなら選択肢がいくつもあったはずなんですよ。酒場から出て「大日本人だよ!」で終わってたら「悲しいヒーローの話」として一応決着してたし(実際このシーンで終わりだと思ったのか帰っちゃったおじさんがいました)、自衛隊の突入から大佐藤が殺されても意外性があって良かったし、お爺ちゃん登場で普通に戦ってヒーローっぽく勝っても良かった。でも、あれはない。松ちゃんあれはないだろうと言いたい。あんなんでごまかされたら困るんですよ。あんなもん「ゴレンジャイ」と「とかげのおっさん」の合成みたいなもんじゃないですか。「ごっつええ感じ」終わって何年経ったと思ってるんですか。今更あんなもん見せられても本当に困るんですよ。困る。困惑。どうしたらいいんですかね本当。松本ならこの困った感を「ガキの使い」でしゃべればスッキリもするし仕事にもなるんでしょうけどね。私にはそんな場はないし。なんつーかもう1800円返してくれ。よくこれでカンヌのフランス人笑えましたね。実はフランス人向けの映画だったんじゃないですかね。