ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

「ロボットテッコンV」も見てきた

草の根ネットの時代に「韓国の変なロボットアニメがある」と噂を目にして以来ずーーーーーーーーーーーーっと気になってた「テッコンV」をついに見る日が来ましたよ。ビッケのあとの食事会を一人抜け出して渋谷のシアターNにGO。


客の入りは全体の一割ほど。思ったより少ない。レイトショーだから?単館なのに10分もCMを見てから始まり始り。まずはテッコンVへの熱い思いのこもった韓国人のメッセージ映像から。まぁそれがどんなものでも幼少期の思い出はたいてい美しいものですからなハッハッハ。そしてついにオープニングです。何だこのハゲオヤジは!っていってるそばから女の子の右腕がもげた!!!しょっぱなからムチャクチャです。そのあとは毎秒ネタ画像の嵐。「チャージマン研」とか好きな方ならご飯三杯くらい軽く食べられると思います。


さてテッコンVというと一般的には「マジンガーZのパクリ」という認識で、人に説明するにはその方が手っ取り早いのも事実ですが、この劇場版第一作目にして元祖の「ロボットテッコンV」はどうだったのか。結論からいうとパクリというには微妙です。なぜか。あまりにも技術的に未熟すぎてパクリきれてないんです!!(笑)たとえていうと、ろくにテクがないのにモナリザの微笑みの贋作を描こうとしたらなんか女の人がニヤニヤ笑いながら座ってる絵ができちゃった、という感じです。それでもまぁ日本アニメのエッセンスの集合体ではあるので”オマージュ作品”てとこですかね、少なくともこの「ロボットテッコンV」は。後年のテッコンVは向こうさんも上手くなってすっかりアレになっちゃいますが…。


作画はあらゆるシーンが稚拙でムチャクチャですがテコンドーの試合シーンだけは異常に動きがよかった。さては実際の動きを見て描いたな〜。テコンドーのロボなのに足技をあんまり使わないのはたぶん画力がなかったからかな…。練習中はネリチャギとか繰り出してるのになぁ。”この人はいい人ですよ”というのを表すためキャラにリスや鳥をまとわりつかせるのはプロパガンダ映像の名残か。時代が偲ばれます…。やたらと意味ありげに目がキラーンと光る演出が多発。でもそのあとこれといって何もありません。「しっかり接続してくれよ」と博士が命令しガッチリ溶接される右腕がロケットチョップで飛んだりしますがまぁさしたる問題ではありません。ウザキャラのヤカン君なんかねぇ、いちいち面白がってたらこっちの身がもたないってもんですよ。あんだけ一撃必殺の武器みたいに盛り上げてた光子力ビームもここぞという時にさっぱり使わないし。チョップ最強でいいんです。チョップ最強!


チョップが強すぎたのか日本語字幕もたまにふざけるのが不意打ちでまいりました。「すげえ!」(フン君練習中の台詞)「とっとと立ち直ってお前の敵をブチ殺すんだ」(キム博士の墓前で泣くフン君へ向かって)とかおかげで真面目そうなユン博士がすっかり変な人に。これじゃ日本語吹き替え版はどうなるのかすごく気になるなぁ…。また見に行くか…。


まぁ何だかんだ書きましたが、フン君とロボット軍団との間で人間になりたいと苦しむアンドロイドのメリーは良かったです(オープニングで腕がもげてたのはこの娘)。これは良かった。永井豪あたりを参考にしたと思われる、金髪青い目にミニスカートとロングブーツのデザインはそれなりにかわいくて今でも通じるし、キャラクターもドラマ性があって良かった。デフォルトでサーベル所持してるのはどうなんだとか、やたらと意味ありげに目が赤く光るけどやっぱり意味はないぞとか、そんなんはどうでもいいんです。メリーは良かった。それでいいじゃないかハハハ…。


まとめ:映像としてのインパクトはとんでもないので物好きな方におすすめします。普通に面白い映画が見たい人は絶対に見てはいけません。おしまい。