ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

新橋演舞場 秀山祭九月大歌舞伎 昼の部

15日に観劇。四演目5時間20分は長かった…。2時間級のが二つもあるとさすがに疲れる(あと腰が死んだ)。またゆで太郎で腹ごしらえをしてから演舞場へ。そばはアレながらカレーがうまかった。今回はイヤホンガイド借りたけど、筋書きで予習済みだったしいらなかったかもしれない。半分くらいしか聞かなかった。初めて舞台写真販売に遭遇。俊寛の写真が欲しかったのに見つからなかったなぁ。時間が押したのか幕間が妙に短くて結局なんの写真も買えず。ちょっと一休みしてるとすぐブーと開演5分前のブザーが鳴るんだもんなぁ。やたらと慌ただしくて一階に行く暇もなかったよ…。ちなみにこの日は録画収録があった(?)ようで、舞台の前にはマイクが数本立っていて、一階の壁に「収録のためご迷惑おかけします」と貼り紙もあった。

月宴紅葉繍

梅玉丈は上品な顔立ちだからまぁいいとしても、魁春丈が小野小町というのはちょっと無理があったかもしれない(笑)。でも兄弟息のあったきれいな踊りだったと思います。

沼津

和事の吉右衛門丈を初めて見たけど元々愛嬌のある人だしかわいくて良いですな。歌六丈の老けっぷりも凄かった。ちょっとオーバーすぎる気もしたけど…。客席巡りは「今日はこの辺でお祭りがあるようだよ」「何のお祭りで?」「秀山祭という祭りらしい」なんて台詞もあって場内楽しい雰囲気に。一階はうらやましいなぁ。30cmと離れてない目の前に役者が来るんだもんなぁ。あれは思わずおさわりしてしまいそうだ。吉右衛門丈は平作が実は父と分かってから花道を去っていくまでが良かった。あと序盤の茶店のシーン。この最初に出てくる五人が絶品だった。播磨屋復帰の口上も面白かった。歌舞伎のかしこまった言い回しには日本人の本能に迫る格好良さがあると思う。その他の場面は…全般的に何ともいえず。お米が盗みを決意する心境の変化がよく分からなかったし(この辺は義太夫で言ってるのかなぁ…)、どうして平作と十兵衛が互いに親子と名乗らないのかもよく分からなかった。まぁ筋を知ってるから何で名乗らないのか頭では分かってはいるけど、説得力がなかったという感じ。

荒川の佐吉

仁左衛門丈がなんかずっと水谷豊みたいだった(笑)。浪人の歌六丈の、さっきの芝居との変貌ぶりが凄い。なんという芝居の幅の広さ。あと子分キャラ全開の染五郎丈も素晴らしい。今月は染五郎丈大当たりだなぁ。照明を落とした場面で急にフラッシュが。誰か写真撮っちゃったっぽい。プロかとも思ったけど録画収録中に筋書き用のを今さら撮影ってのも変だしなぁ…困ったもんだ。吉右衛門丈は幡随院長兵衛のような長谷川平蔵のような感じで格好良かった。やっぱりいつか歌舞伎の「鬼平犯科帳」を見たいなぁ。

寿梅鉢萬歳

顔はどう見てもおっさんなのに踊りは美しくかわいいい。不思議。これが、女形なら誰でもそう、というわけではないところに超一流の凄みがある。さすが藤十郎丈。あと着物がメチャメチャきれいだった。


これで今月は昼夜とも見たけど、どちらかというと夜の部の方が上かなという気がした。昼の部はとにかく長くて疲れちゃう。夜の部の方が締まった演目が多くて見やすいし、今から見るなら夜の部がおすすめです。まぁ昼の部の口上も十分に一見の価値ありだけどね。