ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

エクスペンダブルズ2が面白くない原因 ※ネタバレあり

せっかく期待して観に行ったのに面白くなかった。エクスペンダブルズって80年代アクション映画の三大要素、すなわち「でかい男がでかい銃をぶっ放す・痛みの伝わる肉弾戦・とんでもない大爆発」をもう一回やろうやというのがテーマの一つだったはずなのに、今回はもう一つのテーマ「80年代アクションスター大集合」があまりにも重視されすぎて「銃・肉・爆」がないがしろにされてしまったというか薄れてしまったように思う。冒頭10分くらいまでは「銃・肉・爆」が満載で良かったんだけどねぇ。後半は適当にバラバラ銃撃ってるだけでザコ戦闘員が勝手にバタバタ死んでいく無双状態でホットショット2みたいだった。特にブルース・ウィリスシュワちゃんが”豆車”に乗って暴れるシーンなんか完全にギャグで…まぁギャグシーンなんだろうけど、そういうのが見たいわけじゃないんだよね…。ギャグといえば前作のギャグは小粋なギャグで「こんなスマートな時代に俺たちまだこんな男臭いことやってるんだぜ」的なちょっと自虐気味なところがまた良かったんだけど、今回はなぜかガンナーのスベリ芸ばっかり(しかも面白くない)で、身内に戦死者が出るというシリアスなストーリーにはどうもそぐわなくてちぐはぐな印象だった。


面白くない一番の原因はキャラクター配置の構造的な問題で、単純にいって敵が少なすぎて味方が多すぎた。ヴァンダムの悪役は姿はいいけどやっぱりヴァンダムで、悪役というには線が細いし、中ボスも前作のマッチョマンに比べると小物過ぎてほとんど中ボスという印象がない。だから私はてっきりヴァンダムの取引相手がラスボスなんだろうと思ってた。やっぱりより強大で憎々しい敵を相手にしてこそヒーローというのは光り輝くのであって、前作のエリック・ロバーツは偉大だったんだなぁ、敵役(かたきやく)って大事なんだなぁとスクリーンを観ながら痛感した。大体今回はブルース・ウィリスシュワちゃんチャック・ノリスがスタローン軍団に加わってるんだから、尋常じゃない程の超弩級な敵でない限り戦力バランスとして成立しないわけで、その辺は明らかに設計ミスだったと思う。「80年代アクションスター大集合」の罠にスタローン自らが引っかかってしまったともいえる。「大軍団を一撃でぶち倒すチャック・ノリス」は良かったけどねぇ…。


あとヒロインがブサイクだったのも解せない。あれはかませ犬でてっきりあとで美女が出てくるのかと思ってたのに。結局なんか80年代アクション映画のパターンをいくつも踏み外してたのが最大のガッカリポイントだったのかもしれない。