ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

魚からダイオキシン理論

物語を考えるときはいわゆる”物語が降りてくる”のが一番楽でいいんですが、人間、病気をしていたり、寝不足だったり、腹が減ってたりすると降りてくる余裕なんかありません。しかし公募には締め切りがあり、応募しないと二万円もらえるチャンスもない(笑)。そこで”半強制的に物語を降ろす”方法を開発しました。


名前は「魚からダイオキシン理論」。これにはタイトルの力を使います。タイトルには物語を思い起こさせる力があります。これを利用します。例えば「北北西に進路を取れ」なら、北北西に進路を取らないとえらいことになるんだな、きっとサスペンスものなんだな、主人公は男だな、ということが思い浮かびます。もうこれである程度物語作れますね。ちなみに私は「北北西に進路を取れ」は見たことがありません。


では実際のやり方。単語を二個以上用意します。理論的にはどんな言葉からでも物語が作れますが、素っ頓狂なものができてしまうので、テーマに沿った単語や、目指すテーマ性を持つ単語がいいでしょう。単語を二個以上用意したら、それを組み合わせて思いつくかぎりのタイトルを作ります。


例:「豆腐」と「スカイダイビング」の場合
タイトル「豆腐でスカイダイビング」
豆腐でパラシュートを作る、無茶な挑戦が思い浮かびますね。空挺部隊が遭難した時に食べられるパラシュートの話かもしれません。


タイトル「豆腐がスカイダイビング」
これはヤバイですね。死ぬぞ豆腐!やめておけ!じゃあ、死なない話にすればいい。というわけでこういう物語になります「豆腐くん空をとぶ(http://ncode.syosetu.com/n0133cq/)」。2015年7月24日追記:「豆腐くん空をとぶ」は小説現代2015年8月号ショートショートコンテストに掲載されました!


つまり、単語を組み合わせてタイトルを作り、それを発想の第一歩とすることで、物語がスムーズに降りてくるように導くのです。これが「魚からダイオキシン理論」です。「魚」と「ダイオキシン」という単語が「魚からダイオキシン」というタイトルになることで、なんかものすごく不穏なイメージが生まれる。これが神髄です。ちなみに「魚からダイオキシン!!」は見たことがありません。シェケナベイベー!(「コミック雑誌なんかいらない!」なら見たことある)