ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

クレヨンしんちゃん ブリブリ3分ポッキリ大進撃

先週の土曜日観に行った。「クレヨンしんちゃん」は眠田直氏の同人誌を読んで以来チェックしている。といっても劇場に見に来るのは「オトナ帝国」以来だ。窓口で作品名を言わずに「大人一枚」と言ったら「交渉人 真下ナントカ」を観に来たと思われて若干焦る。そーだよ俺は大人だけどクレしん観に来たんだい!GW後ということもあってかお客の入りは15%ほど。私以外は親子連れだった。


さて映画についての感想だが、個々のディテールや設定は可愛かったり格好良かったり面白かったりするのだがそれが映画全体としてのまとまりには繋がっていない。ボリューム的にはちょっと長めのTVスペシャルという感じ。おそらくこれはムトウユージ監督が脚本にまで手を出しちゃったのが原因だろう。でもまぁ、クレしん映画は今までが良すぎたんですよええ。「オトナ帝国」以降の感動路線が妙に伝統化するのも嫌だしねクレしんなんだから。


今作でも”慣例”にしたがってしんのすけが真面目なことを言って観客を感動させようとするシーンが二箇所ほど見られたけど無理矢理感は否めなかった。なぜなら今作はみさえとひろしが親としてダメ人間として描かれているところにしんのすけだけが突如として大真面目に論拠のとぼしい激白をするからだ。あまりにもあからさまな”感動させシーン”としてそれまでの流れから浮いているので観客も白けていた。だがこれはむしろ伝統を打ち破る意味で幸いだっただろう。次からは感動なしでいいですからほんと。


じゃあつまんなかったのかというと、そうではない。アクションシーンが連続するので子供達は騒ぎもせずかぶりつきで観ていたし。ていうかね、これ主人公はみさえさんですから!みさえさんの変身姿に萌えまくるのが正しい見方ですから!個人的にはプリティミサエスの髪型と色(緑色のツインテール)がジェニーさんにしか見えなくて劇場でこっそり大喜びですよ。特に前髪のギザギザ感がもうそのまんまでたまらん。子供を連れてきてたお父さんにはセクシーみさえXとマーメイドミサエリアスの巨乳が良かったんじゃないでしょうか。


内容に関しては、ラストバトル前の、敵が強くなりすぎてみさえとひろしが生命の危機を感じるあたりまでが面白かったと思う。3分後の世界でヒーローになってちやほやされる快感にどっぷり浸かってしまい家事育児放棄・職場放棄する親ってヤバイよなぁ。ちょっとPPGぽくもあるけどこれ「ヒーローになる快感」を「パチンコで大当たりする快感」に変えれば現実世界で日常的に起きてる児童虐待だし…。そしてその後の「何でも思い通りになるはずの世界で死にそうになる」というシビアな展開がまたイイ。みさえとひろしが大人であるからこそ「これは遊びじゃないんだ。次に戦ったら死ぬかもしれない」という恐れがこれまでのハマリ具合の反動として強調されるわけで、二人が布団の中で顔を引きつらせるシーンは現実感があった。


今回パロディ要素はかなり濃い目で、おたくじゃないと分からないものが多かったと思う。「ギュー・ドン」は「うる星やつら」っぽいしラストの未来マンとの会話シーンは「ウルトラマン」最終話のゾフィーとの会話シーンのパロディでしょ。ちなみに私、怪獣方面はさっぱりなので「これはきっと何かのパロディなんだろうな」というのは多々ありましたが元ネタは分かりませんでした。


そういえば波田陽区は別にいらなかったなぁ。ノーマル怪獣で一人だけ人間体というのも設定からするとおかしいし。あとぶりぶりざえもんはそろそろ山崎たくみにでも任せたらどうだろうか。ファンもいいかげんに声が入ることを望んでいると思う。