ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

小泉、北へ

結論として釈然としない出来事だった。

  1. 突然の訪朝が、選挙を目前とし、首相自身の年金未納が発覚した、今この時期であること。
  2. 拉致被害者の家族は事実上全員戻るも、それが明らかにモノとの交換取引であったこと。
  3. 特に何の議論もないのに小泉が今後の制裁措置をしないと明言してしまったこと。
  • いつからこの国は大統領制になったのかと思う。小泉の都合で勝手に物事を決めていいのか。
  • 首相が行って話をすれば事態が進展するのならば、外交スタッフの存在は無意味なのではないか。
  • 「ゴネればモノが出てくる」ことを北朝鮮に示してしまったのは、大きな失敗ではなかったのか。


お手盛りの”良くできました”ストーリーを小泉は望んだのだろうが、これじゃまるで北朝鮮の属国だ。
植民地問題を根元とする一方的な悪者扱いが変化し、対等になりかけていた国家関係すらぽいと放棄してしまえるほど、政治屋の自己保身欲とは根深く、激烈なものなのだろうか。


しかし、何はともあれこれまで戦争への道しか見えていなかった二国間に少しだけ平和の道筋が見えたのも確かであり、その点は評価できるのではないかと思う。問題はそれが決まり事を平気で破る、かの国を相手にしたものであるということなのだが。


補足:「最悪」発言について例によって批判が上がっているようだが、拉致と国交正常化・核廃棄は別種の問題である。拉致は犯罪行為の精算を求めているだけの話であって、つまり政治問題にすべきではない。小泉はそれを「対価を支払う=政治力を使う」ことでクリアしようとしているわけで、だから「最悪」なんだろうと思う。ちなみに内容が似ているようでも植民地関連は政治問題。まぁこれは政治問題に「なってしまった」わけで先送りにしてきた結果でしかないんだけどな。