ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

京都旅行記 その三

家に到着してから24時間と少し経った。終わりよければ何とやらというが、雨で流れた二日目の予定を三日目の早朝から行うという賭けが吉と出て、結果的には良い旅であった。ではここで時間軸を土曜日の夜、出発時に戻してみよう。


・夜行バス
大宮そごう北側にある夜行バス用のバス停らしきものには着いたが「京阪神ドリームさいたま」といった表示はどうも見あたらない。これから来るのは埼玉なんぞ思い切り管轄外の、西日本JRバスのバスなんだから当たり前か。乗り合わせるらしい人々も不安な顔をしてバス停の表示を何度も確かめている。


バスは1分ほど遅れてやってきた。見慣れない車体塗装なのですぐ分かる。客層は意外と女性が多い。あと恐ろしいことに子供連れがいる。出発してすぐ「これはえらいことになった」と分かった。

  • 狭い…三列独立シートといっても所詮はバス。しかもその車内を半ば無理矢理に二階建てにしてるのだ。想像以上に狭い。私は大男なので立つのにも大汗をかく。女性客が多いのは彼女たちにはそれほどこの空間が苦痛ではないからか。なおトイレ(洋式)はさらにびっくりするほど狭い(ていうかびっくりした)。何とか工夫して座るとしても尻を拭くのは無理かもしれない。
  • 揺れる…バスが動き出すまで「そういえば小学生のとき遠足のバスで吐いたなぁ」という過去を忘れていた。クロマティ高校の竹野内なら30秒も経たず秒殺されるだろう。二階建ての二階だしとにかく揺れる。気持ち悪い。バッグから何か出そうとして意識を集中するとさらにオエッと来る。ただ、これはしばらく普通に座りながら耐えていて攻略法が分かった。いわゆる寝台車なんだから、リクライニングを倒して、横になればいいのだ。もっとも後ろに人がいる場合は消灯時間前に倒すのは気が引けるから気軽にはできない攻略法だが…。

オエッに耐えているとき子供が肉系の弁当を広げ、その臭いが車内に充満して「もはやこれまでか」と思ったが、横になることで楽になった。それ以外、懸念したほど子供は騒いだりもせず、静かな乗客の一人だった。ひょっとしたら貧乏帰省旅行には慣れているのかもしれない。逆にちょっとうるさいのは例によって若い女だった。


「マイナーリーガーはバス移動で大変」ということはよく聞くが、それが具体的にどういうことかは分からなかった。まぁバスの大きさが違うだろうから単純に相対化はできないとしても、奴らは体格が並じゃないから環境としては同じようなものだろう。夜行バスの何が大変か、それはこれに尽きる。

  • 眠れない…三種の睡眠グッズ(アイマスク・耳栓・空気枕)を持っていったが耳栓以外は無用の長物だった。耳栓を通しても聞こえてくる走行の轟音。そして間断のない揺れ。夢を見ながらも意識はあるような薄い眠りは得られるが、熟睡するのは不可能だ。まぁ、私の斜め後ろでいびきをかいていたような剛の者いるだろうが、それは例外だろう。実際、休憩時間の前後はほとんどの乗客が体を起こしていた。ちなみに空気枕は揺れを増幅させるので車酔いが酷くなる。酔いやすい人にはおすすめしない。

ところで消灯された車内で休憩時間はどう伝えられるのか。もちろん明かりがついて放送が入るのである。たとえちゃんと眠っている人がいても容赦なし。これじゃ眠れって方が無理だわな。ちなみに朝も明かりがついて放送が入り起こされる。目覚まし時計を持っていく必要はないのであります。