ふとんのなかから

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にかかったあとだらだらしている人のブログ

「シュガー・ラッシュ」を観てきた

短編「紙ひこうき」

起承転結の、転からのリアリティとファンタジーの差が大きすぎる。大きすぎるのでファンタジー部分だけではリアリティ部分のストーリーを納得できるほどの説得力が足りず、見終わったあと釈然としないものが残る。具体的にいうとあのあと主人公の仕事がどうなったのかを見せるべきだった。もっというと仕事を含めてファンタジーのパワーでハッピーエンドで終わるべきだった。前半のリアリティ色があまりにも強すぎるのかもしれない。女性のキャラクターデザインは素晴らしいが、リアリティ色が強すぎる分どこか浮いており、あざとさも感じてしまう。

シュガー・ラッシュ

利己的で人の話を聞かないキャラクターが複数人出てくるので終盤までつらかった。でも終盤になってきちんと帳尻合わせをしてちゃんと感動させるのはさすが。キャンディ大王の正体がターボであることが中盤あたりで観客に示されればもっと素直に主人公の二人を応援できたと思う。例えばプログラムに直接手を加えるシーンでターボに一瞬戻るとか。あと「ターボする」は冒頭の悪役セラピーで説明された方がスマートだったと思う。「ターボする」の詳細が謎のまま、ラルフが明らかに常識を逸脱した行為をしているのに「ターボはしてない」と言い張るので、ラルフは言い訳じみたキャラクターという印象が強くなってしまっている。実際ラルフは嘘もよくつくし、考えてみればシュガー・ラッシュ内での騒動とその決着も結局は自身が起こしたマッチポンプ的なものなので”事故を起こした不良が誠実な対応をしたら不良なのに偉いと褒められた”的な、着地点のモヤモヤした映画であることはいなめない。一言でいうとストーリー的にラルフの精算は済んでいない。そこにオールハッピーエンドを期待する観客としては不満を感じてしまう。


声優方面では多田野曜平・岩崎ひろし・辻親八の日本三大カートゥーンオヤジ声声優が出てたのが良かった。辻親八さんは最近なぜかカートゥーンにあまり出ないのでこの三人が揃うのは貴重。


見終わったあとゲームがやりたくなるのとエンディングのドット絵は良かったと思う。ラルフがシュガー・ラッシュの筐体にヴァネロペの絵を見つけるシーンも良かった。あとカルホーン軍曹とフェリックスのチューがえろい。